20191129文化記録映画「春画と日本人」Shunga and the Japanese

2019.12.14

椎野信雄

 

予告編

監督・撮影・編集・製作著作:大墻敦(2018年/87分/カラー/16:9)

★2019年9月28日(土) ポレポレ東中野にてロードショー

日本人は「春画」を知らない—

「世界が、先に驚いた。」 あの春画展から4年

驚きの内幕を描くドキュメンタリー

《21万人が熱狂した「春画展」》

日本初の大規模な春画展が、2015年9月、東京の小さな私立博物館「永青文庫」で開幕した。国内外で秘蔵されてきた貴重な春画約120点を一堂に集めて展示する画期的な試み。それまで年間2万人の来館者だった永青文庫に、3ヶ月の会期中に21万人が押し寄せた。女性来館者55%、5人に1人が図録を購入するという異例の記録を打ち立て、美術界の話題をさらった。

開催までの道のりは困難を極めた。当初は、ロンドンの大英博物館で成功を収めた「春画展」の日本巡回展として企画されたが、東京国立博物館をはじめ国内の公私立博物館20館へ打診しても不調に終わった。海外で美術品として高く評価されている春画の展示が、なぜお膝元の日本ではすんなりと成立せず、小規模な私立博物館での開催となったのか。なぜ21万人もの熱狂的な観覧者が訪れたのか。映画は、展覧会を成功に導いた人々とともに「春画と日本人」をめぐる謎に迫っていく。

《テレビでは描けない「春画」のウラ/オモテ》

男女の交わりや色恋を、鮮やかに、のびやかに表現した「春画」。葛飾北斎、喜多川歌麿、菱川師宣ら当代きっての浮世絵師のほとんどが絵筆をとり、当時最高水準の「彫り・摺り」の技術を用いた傑作が多い。しかし、明治時代になると、西洋的近代化を急ぐ政府は春画を徹底的に弾圧。何万の春画、数千の版木が燃やされ、名品が海外に流出した。

今では無修正の春画が出版され、書店で誰もが手に取り購入することができる。しかし実物を展覧会で展示することには見えない壁が立ちはだかる。この映画は、本物の「春画」を当たり前に観ることができる世の中を目指した人たちが体験した逆風と、知られざる苦労や努力を描きだしていく。すると春画の公開を問題視し、世間から隠そうとしてきた日本社会の摩訶不思議な《忖度》構造が浮かび上がってきた。

【18歳未満入場禁止】

本作品は、「春画」のオリジナリティと、収集・保存・研究にかけてきた方たちの意図を尊重するため「春画」にぼかしやトリミングをかけることなく紹介しています。

その主旨をご理解のうえ劇場でご覧ください。DVD販売・テレビ放送の予定はありません。

【作品情報】

監督・撮影・編集・製作著作:大墻敦

ナレーター:濱中博久

音楽:矢部優子・池田陽子・長谷川美鈴・長谷川武尚

サウンドデザイン&ファイナル・ミックス:Mick 沢口

カラー・グレーディング:堀井伊玖磨

アシスタント・プロデューサー:中澤祐子

協賛:国際日本文化研究センター

協力:国際浮世絵学会・文化資源学会

宣伝・配給:ヴィジュアルフォークロア

【出演】

小林忠(国際浮世絵学会会長)、浅野秀剛(国際浮世絵学会理事長)、木下直之(東京大学文化資学研究室教授)、石上阿希(国際日本文化研究センター特任助教)、浦上満(永青文庫春画展実行委員、古美術商)ほか [肩書きは取材当時]

文化記録映画『春画と日本人』 

キネマ旬報ベストテン2018年文化映画第7位

 (C)大墻敦

https://eiga.com/movie/91601/

2015年に開催された日本初となる大規模な春画展の開催までの道のりを追ったドキュメンタリー。15年9月、東京の小さな私立博物館・永青文庫で開幕した春画展は、国内外で秘蔵されてきた貴重な春画約120点を一堂に集めて展示し、3カ月の会期中21万人もの来場者が訪れる大成功を収めた。しかし、展覧会開催までの道のりは平坦なものではなかった。当初、ロンドンの大英博物館で開催され、成功を収めた春画展の日本巡回展として企画されたが、東京国立博物館をはじめとする国内の公私立博物館20館への打診がすべて断られ、小規模な私立博物館での開催となった。海外では美術品として高く評価されている春画の展示が、なぜ日本ではスムーズにいかないのか。なぜ21万人もの観覧者が訪れたのか。この展覧会を大成功へと導いた人々を追いながら、春画と日本人をめぐるさまざまな謎に迫っていく。

公式サイト:https://www.shungamovie.com

http://www.mmjp.or.jp/pole2/

http://www.nanagei.com/mv/mv_n1395.html

https://natalie.mu/eiga/news/348974

日本人は「春画」を知らない

「世界が、先に驚いた。」 あの春画展から4年
驚きの内幕を描くドキュメンタリー

18歳未満入場禁止

ポレポレ東中野大ロングラン決定!記念トークも開催

9月28日から開始したポレポレ東中野での公開は12月6日(金)までの上映延長が決定!

10週間にわたる大ロングランとなります。

これを記念してスペシャルトークの開催も決定しました!

美術界の最前線にいる研究者や編集者、表現の自由に注視してきたジャーナリストが次々と登壇します。

12/6のラストまでにぜひご来場ください!

 

ポレポレ東中野「春画と日本人」大ロングラン

現在~11/15(金)9:30モーニングショー

11/16(土)~12/6(金)20:00レイトショー

2019年9月28(土) ~12月6日(金)

監督メッセージ

イギリスで高い評価を受けた大英博物館春画展の巡回展の実現が滞っていると耳にし「なぜだろうと」感じたことが映画制作のきっかけでした。取材を通して、研究者たちが評価する芸術性に優れた春画には、肉体を立体的に描写する線の力、人肌や着物などの鮮やかな色彩と光沢を表現する技術、そして江戸の浮世絵師たちの卓越した世界観や構図感覚があり、今も私たちを感動させる力をもっていると感じました。
こうした春画の価値をいち早く発見して、守り育てた人たちの知られざる努力を伝えたいと思いました。この映画で『展覧会の自由』『売買の自由』『研究の自由』『出版の自由』4つの自由を守るための戦いに挑んだ人たちの姿を描きました。
もともと研究・教育目的の自主上映会向けに製作した本作が、劇場公開されることとなり、とてもうれしく思います。映画製作にご協力いただいた方々、長時間のインタビューに答えてくださった研究者の方々、関係者に心より感謝しています。

監督プロフィール

大墻 敦(おおがき・あつし)

1963年生まれ。自主製作映画『録音芸術の現場 Duo Concertante: Rainer Küchlと福田進一』、ショートドキュメンタリー『日本画家・竹内浩一 芳春院の襖絵を描く』『青柳いづみこ+高橋悠治 4手連弾による「春の祭典」』などがあるほか、2018年より「ル・ポン国際音楽祭 赤穂・姫路」で記録映像の製作アドバイザーを務め、クラシック音楽、文楽、女流義太夫など、文化、芸術の分野で映像製作活動を積極的に展開。現在、築地市場に関するドキュメンタリー映画の製作が進行中。

STATEMENT

本作品では、日本を代表する研究者たちによって芸術性が高いと評価された春画(日文研のコレクションなど)を、歴史資料として無修正で紹介しています。永青文庫春画展では「東京都青少年の健全な育成に関する条例」に鑑み、性的表現に配慮して18歳未満入場禁止としました。それに倣い、本作の劇場公開も18歳未満入場禁止とします。
現在、テレビ放送では、無修正の春画は放送コードに反するため、ぼかしをかける、トリミングをする、などの工夫をして春画を紹介しています。国際浮世絵学会会長の小林忠氏は、本作品のなかで「ぼかしなどの修正をかけることは、絵師の意図を損ねることになり、春画を観賞する姿勢としては望ましくなく、その歴史的・美術的な価値を正しく理解することにつながらない」と語っています。本作品の主旨からすると、テレビでの放送のために、ぼかし、トリミングをかけることはできません。したがって、テレビでの放送の可能性はありません。DVD販売の可能性もありません。
当然ながら、本作は社会通念上問題を生じうる映画ではありませんが、ロードショー公開館のポレポレ東中野では上記の自主ルールに則って上映することを決めました。こうした自主ルールを徹底することで「青少年の観覧への配慮」「観客の観る自由の保障」の両者が実現されると考えています。

文化記録映画『春画と日本人』は、春画と世間の関係を通して、日本社会とメディア、表現物の公開や流通について考えることができる作品です。このような関心のある方にお勧めします。

  • 美術品としての春画のすごさを知りたい
  • 日本文化の知られざる奥行きを知りたい
  • 美術品や文化遺産の収集・保存・研究の意義を考えたい
  • 出版や展示などにおける表現物の公開の在り方について考えたい
  • 日本社会における自主規制について考えたい

 

上映料・申し込み方法等については後日掲載いたします。その地域での劇場公開がひと段落する頃から受付を開始します。

21万人が熱狂した「春画展」

 

日本初の大規模な春画展が、2015年9月、東京の小さな私立博物館「永青文庫」で開幕した。国内外で秘蔵されてきた貴重な春画約120点を一堂に集めて展示する画期的な試み。それまで年間2万人の来館者だった永青文庫に、3ヶ月の会期中に21万人が押し寄せた。女性来館者55%、5人に1人が図録を購入するという異例の記録を打ち立て、美術界の話題をさらった。
開催までの道のりは困難を極めた。当初は、ロンドンの大英博物館で成功を収めた「春画展」の日本巡回展として企画されたが、東京国立博物館をはじめ国内の公私立博物館20館へ打診しても不調に終わった。海外で美術品として高く評価されている春画の展示が、なぜお膝元の日本ではすんなりと成立せず、小規模な私立博物館での開催となったのか。なぜ21万人もの熱狂的な観覧者が訪れたのか。映画は、展覧会を成功に導いた人々とともに「春画と日本人」をめぐる謎に迫っていく。

テレビでは描けない「春画」のウラ/オモテ

 

男女の交わりや色恋を、鮮やかに、のびやかに表現した「春画」。葛飾北斎、喜多川歌麿、菱川師宣ら当代きっての浮世絵師のほとんどが絵筆をとり、当時最高水準の「彫り・摺り」の技術を用いた傑作が多い。しかし、明治時代になると、西洋的近代化を急ぐ政府は春画を徹底的に弾圧。何万の春画、数千の版木が燃やされ、名品が海外に流出した。
今では無修正の春画が出版され、書店で誰もが手に取り購入することができる。しかし実物を展覧会で展示することには見えない壁が立ちはだかる。この映画は、本物の「春画」を当たり前に観ることができる世の中を目指した人たちが体験した逆風と、知られざる苦労や努力を描きだしていく。すると春画の公開を問題視し、世間から隠そうとしてきた日本社会の摩訶不思議な《忖度》構造が浮かび上がってきた。

WHAT IS SHUNGA?

春画とは

春本・春画とは、男女の性的な営みを描いた挿絵や、好色的な内容の本文を持つ本、あるいは、男女の交わりを描いた肉筆画、版画などを指す。
近世期の春本・春画の表現は、実に多様で豊かであった。作者や絵師は、男女の性愛の姿をただ描くだけではなく、言葉や和歌を添え、その背景にある物語を読ませた。また、当時流行していた歌舞伎や戯作の形式や手法などを積極的に取り込み、常に新たな表現を作りだそうとしていた。
春本・春画は、技術的な面でも、その他の浮世絵や版本を凌ぐ高い水準を保っていた。当時の摺・彫の最高技術や造本の豪華さを楽しむことが出来るのも、春本・春画の特色の一つであろう。

(立命館大学アートリサーチセンター「春画プロジェクト」HPより)

監督インタビュー

https://intojapanwaraku.com/jpart/28766/

 

 

横浜シネマリン:15:15-16:50 (87分)

https://cinemarine.co.jp/shungamovie/

2019年11月2日(土)~29日(金)

COMMENTS

大英博物館では大好評だった春画展が日本で開催に前向きな美術館や博物館が全然なかった。

何故?

春画だから。

浮世絵としての技術も最高峰なのに、春画という理由で不当な扱いを受け続けてきた。だけどそんな時代の夜明けはもう近い気がした。

MADEMOISELLE YULIA(シンガー/DJ

春画に秘められた和合が笑いや生きる喜びと密接であることが改めてわかり、スクリーン越しからもエネルギーをもらいました。

そして大盛況だった春画展、しかし以後も美術館で開催され続けないのは何故か、その一部を知りました。

春画ール

@tuyashun

この映画は、春画展をつうじて日本人とは何かという大きな問題をドラマチックに問う作品ともなっている(映画公式パンフレットより)

小松和彦(国際日本文化研究センター所長)

「性」を通じて「生きることを大らかに肯定した」先人たちと、その意思を継がんと奮闘する人々の記録が、いま私たちに必要な「寛容さ」を教えてくれる。

映画監督 金子雅和 (『アルビノの木』)

大英博物館の本格的な春画展を受けて 永青文庫の春画展に多くの若い人々が集まってからもう4年が経とうとしているが、春画展示を巡る状況はそれほど変わらず未だタブーの中にあるようだ。
10年後、20年後に「こんな時代もあったねぇ」といいつつ 本映画を顧みることを夢見ています。

板坂則子(専修大学教授、国際浮世絵学会常任理事)

性と性交が人にとって欠かせないものである以上、それを表現することを悪とすることはいかがなものかと思っています。春画は性の表現として大切なものです。その公開の歴史に真摯に向き合った記録映画を多くの方がご覧くださることを希望しています。

浅野秀剛(大和文華館館長、国際浮世絵学会理事長)

映像作家大墻敦さんが、近年ようやく公開が許されるようになった日本の春画にまじめに向き合い、江戸時代文化を代表する重要な一面として再評価を加えた、貴重な記録映画です。

小林忠(学習院大学名誉教授、国際浮世絵学会会長)

今こそつないでおきたい“春画の技術”に、彫り摺りの職人のみならず、材料、道具の制作者と共に挑戦する姿が描かれています。

髙橋由貴子(東京伝統木版画工芸協同組合理事長)

https://shungirl.com/diary-shunga-thefilm/

文化記録映画『春画と日本人』ーこれは誰のドキュメンタリーかー

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49437130V00C19A9000000/

https://digital.asahi.com/articles/ASMBR4712MBRPLZB009.html

https://www.kavc.or.jp/events/5589/

 

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