20241011映画「二つの季節しかない村」Kuru Otlar Ustune (ABOUT DRY GRASSES)

2024.11.04

10/11公開『二つの季節しかない村』予告編

10月11日(金)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー!

公式HP:https://www.bitters.co.jp/2kisetsu/

ムビチケオンライン:https://mvtk.jp/film/086911

美術教師のサメットは、冬が長く雪深いトルコ東部のこの村を忌み嫌っているが、村人たちからは尊敬され、女生徒セヴィムにも慕われている。しかし、ある日、同僚のケナンと共に、セヴィムらに虚偽の“不適切な接触”を告発される。同じころ、美しい義足の英語教師ヌライと知り合い……。

プライド高く、ひとりよがりで、屁理屈を並べ、周囲を見下す、“まったく愛せない”のに“他人事と思えない”主人公サメット。辺境の地でくすぶる男は、雪解けとともに現れた枯れ草に何を見つけ出すのか――。

監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン 

脚本:アキン・アクシュ、エブル・ジェイラン、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン

出演:デニズ・ジェリオウル、メルヴェ・ディズダル、ムサブ・エキジ、エジェ・バージ

2023/トルコ・フランス・ドイツ/198分 配給:ビターズ・エンド www.bitters.co.jp/2kisetsu

© 2023 NBC FILM/ MEMENTO PRODUCTION/ KOMPLIZEN FILM/ SECOND LAND / FILM I VÄST / ARTE FRANCE CINÉMA/ BAYERISCHER RUNDFUNK / TRT SİNEMA / PLAYTIME

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本編映像】カンヌ国際映画祭でトルコ初の最優秀女優賞受賞!役所広司氏とも親交あるメルヴェ・ディズダルとは?映画『二つの季節しかない村』

https://eiga.com/movie/99298

「雪の轍」で第67回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したトルコの名匠ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督が、トルコ・アナトリア東部に広がる荘厳な自然の大きさと、自我に縛られた人間の悲しいほどの小ささを大胆に対比させて描いたドラマ。
冬が長く雪深いトルコ東部の村。プライドの高い美術教師サメットはこの村を忌み嫌っているが、村人たちからは尊敬され、女生徒セヴィムからも慕われていた。ところがある日、サメットは同僚ケナンとともに、セヴィムたちから身に覚えのない“不適切な接触”を告発されてしまう。そんな中、サメットは美しい義足の英語教師ヌライと知り合う。
主人公サメット役に「シレンズ・コール」のデニズ・ジェリオウル。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、ヌライ役のメルベ・ディズダルがトルコ人として初めて女優賞を受賞した。

2023年製作/198分/G/トルコ・フランス・ドイツ合作
原題または英題:Kuru Otlar Ustune
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2024年10月11日

https://en.wikipedia.org/wiki/About_Dry_Grasses

公式サイト:https://www.bitters.co.jp/2kisetsu/

Introduction

パルムドール受賞監督ヌリ・ビルゲ・ジェイラン最新作
見渡す限りの雪砂漠と、夏の古代遺跡の雄大さ…
壮大な自然の前に人間は如何に小さなものか──

2023年カンヌ国際映画祭。ザンドラ・ヒュラー、スカーレット・ヨハンソン、ジュリエット・ビノシュ、ナタリー・ポートマン、ジュリアン・ムーア、ミア・ワシコウスカといった名だたる女優が名を連ねる中、プレゼンターのソン・ガンホから盾を受け取ったメルヴェ・ディズダル。これまでパルムドール、2度のグランプリ、監督賞など、カンヌ国際映画祭をにぎわせ続けてきたヌリ・ビルゲ・ジェイランは、本作『二つの季節しかない村』でディズダルにトルコ人初のカンヌ国際映画祭最優秀女優賞受賞をもたらした。
音さえ吸い込んでいく雪深い景色の圧巻の美しさと、標高2150mにある世界遺産ネムルトダーの夏の雄大さ。
対照的に、その中で生きる人間の悲しいほどの卑小さ。ヌリ・ビルゲ・ジェイランは、この圧倒的な広がりを見せる自然の大きさと、自我に縛られた人間の小ささを大胆に対比させる。息もつかせぬ言い合い、ちょっとした目線に現れる小さな感情の動き。これまでの作品同様、ドストエフスキー、チェーホフ、イプセンと言った世界の文豪作品に加え、太宰治らの私小説を思わせる、繊細な人間感情の機微を圧倒的な演出力で描き出す。
劇中、主人公サメットによる撮影として提示される数々の写真は、ジェイラン監督自身が撮影したもの。村を斜めに見続けるサメットの目線を体感することになる。

すべてにおいて屈折し、狭量で、尊大な美術教師が
取るに足らぬと思っていた土地に、何を見つけ出すのか──

トルコ東部、雪深いインジェス村の学校で美術を教えるサメット。教師というだけで、村人たちから尊敬され、お気に入りの女生徒セヴィムにも慕われている。しかし、ある日、、同居している同僚のケナンと共に、セヴィムらに“不適切な接触”を告発される。同じ頃、美しい義足の英語教師ヌライと知り合う。夏、念願叶って転任が決まり、この田舎村から去ろうとするとき、雪で覆われ続け、春の陽を浴びることなく突然に強い陽を浴び、黄色く枯れた草を踏みしめるサメットは、その枯草になにを見つけ出すのだろうか……。
プライド高く、ひとりよがりで、屁理屈を並べ、すぐにキレて、周囲を見下す、“まったく愛せない” のに“他人事と思えない” 主人公サメット。人と自分を比べ、他者をやりこめようとするサメットの姿は、現代社会のどこにでも見つけることができる。
主人公サメットとディズタル演じるヌライが繰り広げる人生論のやり取りは、12分を超える圧巻のシーン。「世界のために何ができる?」の問いに、「正義は絵空事」とうそぶくサメット。しかし、そのあとの展開に誰もが驚くだろう。予測不可能さ、アンビバレントさ……人の心の不可思議がそのまま提示されるとき、映画と現実の境界は失われ、新たな映画体験を味わうのだ。

Story

トルコ、東アナトリアにある、雪深いインジェス村の学校に赴任して4年が経つ美術教師サメット。この村は長い冬が終われば、春を挟まずに急に夏がやってくる。雪に覆われていた大地は春の芽吹きもなく、突然太陽にさらされ黄色く枯れていく。なにもない村では、教師であるだけで尊敬される。学校では、女子生徒セヴィムに慕われ、サメットの部屋でおしゃべりをしたり、休暇に行けば、お土産に鏡をプレゼントしていた。しかし、どこまでいっても仕事も少なく、なにもない村であることに変わりはない。

知人の勧めで英語教師をしているヌライと会うサメット。彼女は理想を持って、社会と戦っていたが、テロに巻き込まれ片足を失い義足になっていた。サメットは同居している同僚のケナンをヌライと引き合わせると、ふたりは意気投合していく。

ある日、学校で荷物検査が行われる。サメットがプレゼントした鏡と共にラブレターを没収されるセヴィム。内容が気になったサメットは理由をつけてそのラブレターを手に入れる。「返してほしい」と涙ながらに訴えるセヴィムに「もう処分したから手元にない」と嘘をつくサメット。

その日から、セヴィムの態度は変わった。セヴィムは友人と共謀して、「サメットとケナンに不適切な接触をされた」と虚偽の訴えを起こし、ふたりは窮地に立たされる。なにもない村では噂はあっという間に広がる。目を掛けていたセヴィムの態度に打ちひしがれるサメット。しかし、実はケナンを陥れようとしたのかもしれない、という同僚の言葉から、怒りの矛先はケナンに向かっていく。

セヴィムはなぜ、虚偽の告発をしたのか? サメットとヌライ、ケナンの関係はどうなっていくのか? 忌み嫌っていたこの村から、サメットは去ることができるのだろうか?

Director

監督/共同脚本/編集

ヌリ・ビルゲ・ジェイラン

Director, Script and Editor

NURI BILGE CEYLAN

1959年1月26日、イスタンブール生まれ。76年にイスタンブール工科大に入学し、化学工学を専攻するが、当時、大学は政治的、社会的動乱の中にあり、講義は常にボイコットや政治的対立などによって妨害され、休講となったため学業はままならなかった。78年に改めてボアズィチ大学に入学し、電気工学を専攻、写真部に入部するとともに、図書館で視覚芸術とクラシック音楽の嗜好を養う。

兵役後、ミマール・シナン美術大学で映画を学びつつ、プロカメラマンとして生計を立てる。

93年、最初の短編「繭」の撮影を開始。この作品は95年の第48回カンヌ国際映画祭に選出された初めてのトルコの短編映画となった。「カサバー町」(97)で長編デビュー。第48回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に出品され、カリガリ賞を受賞。「五月の雲」(99)は、第50回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品され、「カサバー町」からの「地方3部作」の最終章、「冬の街」(03)で、第56回カンヌ国際映画祭グランプリと最優秀男優賞を受賞し、国際的な知名度を上げる。同作はカンヌ以後も国際映画祭を巡回し、47もの賞を受賞、トルコ映画史上最も高い評価を得た作品となった。「うつろいの季節」(06)は、第59回カンヌ国際映画祭でFIPRESCI国際批評家連盟賞受賞。「スリー・モンキーズ」(08)では、第61回カンヌ国際映画祭監督賞を、「昔々、アナトリアで」(11)では、2度目のカンヌ国際映画祭グランプリを受賞。そして、7本目の長編『雪の轍』(15)で、第67回カンヌ国際映画祭パルムドール大賞と国際批評家連盟賞を受賞。続く『読まれなかった小説』(18)も第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出され、第51回トルコ映画批評家協会賞で6冠に輝いた。本作『二つの季節しかない村』は第76回カンヌ国際映画祭でトルコ人初の最優秀女優賞をヌライを演じたメルヴェ・ディズダルにもたらした他、第56回トルコ映画批評家協会賞では7冠を獲得している。

トルコ・イスタンブール出身。1976年イスタンブール工科大学で化学工学を専攻するが、政治的・社会的混乱のため講義が満足に受けられず、78年からはボアズィチ大学で電気工学を学ぶ。93年に初メガホンをとった短編映画「Koza(英題:Cocoon)」が、95年の第48回カンヌ国際映画祭にトルコ映画として初めて出品される。97年の「カサバー町」で長編監督デビューし、第48回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門でカリガリ映画賞を受賞、「五月の雲」(99)は同国際映画祭のコンペティション部門に出品された。03年の「冬の街」が第56回カンヌ国際映画祭のグランプリと主演男優賞(ムザフェア・オズデミルとエミン・トプラク)を受賞し、11年の「昔々、アナトリアで」で2度目のグランプリを受賞。第67回カンヌ国際映画祭に出品された「雪の轍」(14)で最高賞パルムドールに輝いた。映画監督だけでなく写真家としても国際的に活動する。

Cast

サメット

デニズ・ジェリオウル

Samet

DENIZ CELILOĞLU

1986年7月19日、ブルガリア生まれ。トルコとブルガリアの国籍を持つ。3歳の時にトルコに移住。2004年にミマール・シナン美術大学に入学、演技を学び、舞台で活躍する。現在は、テレビドラマ、映画を中心に活動している。本作『二つの季節しかない村』で第56回トルコ映画批評家協会賞主演男優賞を受賞。

ヌライ

メルヴェ・ディズダル

Nuray

MERVE DIZDAR

1986年6月25日、トルコ・イズミル生まれ。チャナッカレ・オンセキズ・マルト大学芸術学部演技学科を卒業後、カディル・ハス大学で上級演技プログラムを学ぶ。

“Snow and the Bear”(220/セルジェン・エルグン監督)で第59回アンタルヤ・ゴールデンオレンジ映画祭最優秀女優賞受賞。本作『二つの季節しかない村』でトルコ人女優として初めてカンヌ国際映画祭最優秀女優賞を受賞した。その他の主な出演作品は「ホタルを見たことありますか?」(21/アンダッチ・ハズネダロール監督)、TVドラマ「エルサン・クネリの野望 ~大いなる映画道~」(22)など。

ケナン

ムサブ・エキジ

Kenan

MUSAB EKICI

1992年3月5日、トルコ・エラズー生まれ。2010年、イスタンブール大学付属音楽院演劇科で学び、舞台で活躍。14年からテレビや映画での活動を開始。“MyFather’s Wings“(16/クヴァンチ・セゼル監督)の演技により、第28回アンカラ国際映画祭、第49回トルコ映画批評家協会賞、第23回アダナ・ゴールデン・ボール映画祭、第22回サドリ・アルシュク映画賞で助演男優賞を受賞。

セヴィム

エジェ・バージ

Sevim

ECE BAĞCI

2007年10月12日、トルコ・アンカラ生まれ。アンカラではトルコ国立オペラ・バレエ団の子供バレエ団に所属し、いくつかの舞台を踏む。現在は演劇を学ぶために、イスタンブールへ移住し、ミマール・シナン美術高等学校演劇科に通う。

『二つの季節しかない村』で映画デビュー。セヴィム役はオーディションで獲得した。本作で第59回シカゴ国際映画祭助演女優賞、第56回トルコ映画批評家協会賞助演女優賞、第25回サドリ・アリシュク映画賞ライジング俳優賞を受賞。

Trivia

土地

インジェス村

サメットとケナンが勤める学校がある村。トルコ東部、東アナトリア地方エルズルムの設定。撮影は主にカラヤジ周辺で行われ、映画内で出てくる地名もカラヤジ地区のもの。アルメニア国境のアララト山まで約200kmに位置する。「インジェス」はトルコに数多くある地名。

エルズルム県

東アナトリアのひとつの県。県都のエルズルムはショッピングモールなどもあり、栄えている。標高1,800mの高地のため、通年冷涼で、5月や10月であっても雪が降る日もある。冬は最低気温マイナス40度近くまで下がる。夏は日中35度ほどになることもあるが、最低気温が氷点下を下回る日もある。

東アナトリア地方

トルコの地方のひとつ。アルメニア、イラン、イラク、ジョージア、アゼルバイジャンに接地している。かつて、多くのアルメニア人が住んでいた地域でもあるが、現在はクルド人が比較的多く居住している。

ディヤディン渓谷

エルズルムの東側アール県のムラト川沿いにある渓谷。ムラト川はのちにカラス川と合流してユーフラテス川となる。トルコ最東端の温泉もあり観光地として栄えている。ヌライにケナンが薦めて、3人で観光に行く。

アドゥヤマン

映画のラストシーンで登場する南東アナトリアのアドゥヤマン県にある遺跡。標高約2,150mのネムルト山の山頂にあるのは世界遺産ネムルトダー。紀元前1世紀頃に同地方を支配したコンマゲネ王国のアンティオコス1世の墳墓に、王の像とゼウスなど神々の像が並んでいる。カラクシュもコンマゲネ王朝の墳墓。紀元200年頃に作られた古代ローマ時代の石造橋ジェンデレ橋はユーフラテス川の支流ジェンデレ川に架かっている。

トルコの学校

義務教育

トルコの義務教育は「Primary」(6-10歳)、「Elementary」(10-14歳)、「Secondary」(14-17歳)の6~17歳(1~12年生)の12年間で4・4・4制。私立もあるが、ほとんどが国立。一般的に2学期制で、1学期が9月中旬~1月中旬、2学期が1月下旬~6月中旬、その後夏休みが3か月間ある。教育方針はトルコ建国の父と呼ばれるムスタファ・ケマル・アタテュルクが提唱した思想・信条による共和憲法に基づいている。明け方の学校の教室の電気を消しに行ったサメットが懐中電灯で照らすのはアタテュルクの像。

教員制度

トルコでは教師は社会的に尊敬されており、国家公務員として3カ月の有給休暇や終身雇用が保障されていることもあって、人気の高い職業。教員の配置は、中央政府が県を決定し、県の教育局により赴任校を決められる。学校に3年勤務して昇級試験に合格すると教頭に、さらに5年すると校長の試験を受験することができるため、若い校長も多い。

音楽

Adagio for Bassoon

「ファゴットのためのアダージョ」 フィリップ・ティモフェーエフ……『ザリガニの鳴くところ』の音楽制作などにも参加しているフィリップ・ティモフェーエフによる楽曲が、エンドロールを締めくくる。劇中では、ヌライの部屋を訪ねたサメットが壁に飾られた絵を眺めているときにかかっている。

Addio del passato’ from La Traviata「 過ぎし日よ、さようなら オペラ『椿姫』より」 ジュゼッペ・ヴェルディ

19世紀イタリアを代表する作曲家ヴェルディによるオペラ「椿姫」第3幕の楽曲を、ギリシャのピアニスト、クリストフ・レッカスが演奏したピアノ曲。サメットに始めて会うときのヌライの背景と、ヌライがサメットとケナンの家へやってきた帰りの車の中で流れる。「椿姫」の原題は「道を踏み外した女」であり、「この病気の前にはどんな希望も無に等しい。さようなら、過ぎ去った楽しい日々よ」という歌詞は、ヌライの気持ちが込められているかのようだ。

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ヒューマントラスト有楽町:13:20-16:45 (198分)

https://ttcg.jp/human_yurakucho
https://ttcg.jp/human_yurakucho/movie/1137700.html
https://shinjuku.musashino-k.jp/movies/41721

【本編抜き】『二つの季節しかな

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